命を感じて涙する 秋田駒ケ岳登山

最近秋田駒ケ岳に登ったので記録を上げておく。

 

今回の登山に向けて登山保険に申し込んでいる時、今度登る山が活火山であるという情報掲示板を見る時、

ほんのりと、普段意識することのない、命を意識していた。

確率は0.001%ほどだろうし、それを最小化する努力はしてきたつもりだけれど、死の可能性がある行為をしに来てるのだと意識する。

 

行きの電車で、「これで死ぬ」を読んでいたのもあったかもしれない。https://www.amazon.co.jp/これで死ぬ-アウトドアに行く前に知っておきたい危険の話-羽根田-治/dp/4635500489

 

そういうことを予め考えていて開始した登山、

 

登ってる時に1人がようやく通れる道があってそのすぐ横に草木がせりだす。その狭い空間に大量に虫が舞っている。8割くらいはトンボなのだが、2割ぐらいハチが混ざってて怖い。本の章の「蜂に刺されて死ぬ」が脳内をよぎっていた。

その後稜線に入ったわけだが、今度は風がすごく強い。自分が飛ばされるほどではないものの、「風に飛ばされて死ぬ」の章を思い出す。

さらにムーミン谷までの道中に、横が切れ落ちてるザレ場(よりもっと砂の粒が細かかったが)があり、道はフラットで歩きやすいものの結構狭く、斜めにうっかり落ちたらそのまま滑落死だなあーと思いながら気をつけて歩いた。

そんな感じで、登山ってどうしても命の危険と隣り合わせだなあと実感する場面自体も多かった。

 

その登山の中盤にムーミン谷に出向いたのだが、木の一本道で特に傾斜もなく、周りは絶景だし、高山植物がそよ風に揺れてサワサワする感じが美しすぎて、ここは極楽浄土か?みたいな気分になり、泣けてきた。実際、この後に登山由来のどうしようもない事態(急な大噴火とか)で死んでも、ここまでの体験が良すぎて良い人生だったなと思えてしまいそうだなと思ったし、そういうことを考え出すと涙がでてくるのだった。ムーミン谷は涙腺に効く。しばらく涙を流しながら1人歩いていた。

 

結果として、特にその後危ういこともなく、無事登山を終えて帰ってくることができた訳だけど、

ほんの少しでも「命を賭けている」という実感は体験の意味づけ、重みづけに効いてくるということを感じた。

元々スリルとかを好まないタイプ*1なので、そういう機会を持つことが少ない中で貴重な経験だった。

 

 

*1:なお、山登りはそれくらい慎重な性格の方がいいんだろうと思っている